プレ金である。
そんなものは都会の一流企業に勤めてる人たちのイベントか何かだと思っていた。都会の人ってそーゆーの好きじゃない?
しかしどうやら下界の一般人にも許されているイベントらしいのだ。本当か?
なので、その事実を確かめるべく今日は自主的に大事な有給を使ってプレ金の検証を行うべく半休を取ったのだ。
「え?帰るの?」
「プレ金なんで」
しれっとそう言うとやっぱり笑われた。
まあいい。変人のする行動にいつもつきまとう当然の反応だ。
かくして私はいつもの癖で作ってしまった弁当を車の中で食べてからプレ金の検証に乗り出したのだ。
まず最初に向かったのは阿倍野ハルカス。とりあえず日本で一番高いビルらしい。近鉄百貨店は近所にもあるので、わざわざ阿倍野まで出向かなくてもいいのだが、ここはプレ金。検証のためなのだ。田舎の百貨店なんてプレ金効果など体感できるわけがないのだ。
阿倍野ハルカス。なるほど。例のロゴマークは至るところで目にする。プレ金特別セール的なものもやっている。しかしなぜだろう?
「夏のバーゲン!」みたいな特別感はこれっぽっちもない。
阿倍野ハルカスは年がら年中人が多いので、プレ金だからといって、いつも以上の賑わいは体感できなかった。メシ屋はプレ金限定メニューなどを宣伝していて美味そうであったが、自作の弁当を先ほど食ってしまったため、メシ屋の実食検証は出来なかった。午後3時すぎというメシ時もすでに終わった中途半端な時間のためか、さほど食堂街は賑わっておらず、例のプレ金のロゴマークが寂しく微笑んでいた。
他の売り場も覗いてみたが、賑わいを見せているのはいつも通りデパ地下だけで、阿倍野ハルカスは「ほぼいつも通り」という検証結果に終わってしまった。
特に買いたいものがあったわけではないのでさっさと切り上げる。
3000円以上の買い物をしてないので、
「駐車料金600円」を取られた。
さて気をとりなおして他の百貨店も覗いてみる。この界隈には百貨店が密集(ちょい盛り)しているのだ。
結果は阿倍野ハルカスと同じようなものであり、駐車料金も同じような金額だった。
時間は午後6時過ぎ。道は大渋滞である。こんなところにもプレ金を感じさせぬ要素がなめらかにカットインしてくる。
この後地元に帰りマイルドヤンキーの聖地「イオンモール」へ向かうつもりであったが、どこであろうと午後6時過ぎからのプレ金検証などに意味はない。
渋滞にイライラしつつ今日の一人反省会をしてみた。
結論
「一般人にはやはり許されていないイベントだった」
「一流感を出してみたい企業にありがちなやつだった」
「プレ金だろうがなんだろうが、ぼっちのために用意されるイベントなど存在しない」
つまり、よくある「政策ミス」だった。
誰も転がせてないイベントなのだ。
渋滞を抜けやっと地元に戻る。時間は7時半過ぎ。ふと目に付いた暖色系の看板。ミスドだ。久しく食ってないな…
せっかくだから経済効果に貢献するため買って帰ることにする。
私の好きな「ポンデリング黒糖」は売り切れていた。