るいブロ

つつがない毎日の落とし穴

同僚Aと課長と私。〜ちょっといい職場物語w

A「そろそろ弁当作ってきてよ」


金曜、帰り支度をしているとき唐突にバカのAがそう言った。突然何を言いだすのだコイツは。


ああそうだった。私はパートナーのガンが発覚した2015年の10月から2017年の5月いっぱいまで休職していた。パートナーは昨年の11月に亡くなったのだが、私自身の体調不良もあり(私が障がいを持った原因)復帰に時間がかかったのだ。2017年の春先には身体は元気にはなっていたが、歩行には杖などがまだ必要だった。


私は休職期間が1年経過した時点で退職を考えていた。パートナーもいつ逝ってもおかしくない状況で、覚悟を決めた時期とほぼ被る。看護と家事の片手間にボチボチではあるが求職活動を開始していた。私が居なくても職場は回っているだろうし、これ以上休職するのも気が引けたからだ。そしてある程度次の職場の目処が立ったところで課長に退職の意思を伝えるべく連絡を入れた。


課長はその日にAを連れて我が家へやって来た。そしてありがたいことに「待ってるからゆっくり休め。Aの所属も変えない」と言ってくれた。その時Aは終始無言だったと思う。


現在の職場への復帰が決まったとき、Aは一人で我が家にやって来た。その時、

A「俺今ずっとコンビニの弁当なんですよ。」


そうか。また昼メシ食ってないんじゃないかと思っていた。コイツは入社したとき極度の人見知りのため(よく採用されたな)昼休みはどこで何してるか知らなかったし、後で知ったのだが朝も昼も食ってなかったのだ。大きな理由は経済的なものだった。田舎から出てきて安い給料で一人暮らし。そりゃ安易に削れるのは食費だろう。田舎から送られてきた野菜なんかも有効活用できてなかったらしい。私は昼休みにAを探し出しこう言った。


私「100均で食いたい量が入る弁当箱2つ買ってこい。そうしたら来週の月曜から昼メシ代はかからず腹は膨れる」


人見知りだけど素直なAは早速弁当箱を買ってきた。私は休職するまでの間、毎朝3人分の弁当を作ることになった。Aはよく食うやつだった。いつの間にかAの弁当は白飯用・おかず用の2個ワンセットになった。弁当箱は持って帰らせ洗って翌日弁当と交換というルールも作った。田舎から送られてきた食材は100%有効活用できる私がもらって、弁当に使ったり保存食に加工したりしてAに渡していた。


それがけっこう長きに渡って当たり前の日常となっていたのだ。そしてパートナーのガンが見つかり私は引き継ぎもそぞろに退職ありきで休職した。その頃にはAも昇給や賞与もあったので生活は安定していたと思う。

休職を告げたときAは洗った弁当箱を持って我が家を訪れ「ありがとうございました」それだけ言って帰っていった。


そして私は6月から復職し現在に至る。



A「ちょw聞いてる?そろそろ弁当作ってきてって」


そうだった。コイツの弁当箱は我が家に置いてあるのだ。


少しずつでも日常を取り戻さないといけないのは分かっていた。


私「ああ。じゃ月曜からな」

A「じゃこんにゃく頼むわw」


そうそう。コイツはこんにゃくの炊いたのとかこんにゃくステーキが好きだった。地味な「ばあちゃん弁当」でも文句も言わずいつもきれいに食ってたな。


というわけで私は職場からの帰り道にスーパーに寄り、同僚A(正確には部下)の弁当を作るべく、大量のこんにゃくや野菜を購入し、日曜丸1日使いこんにゃくの保存食や弁当用のおかずなどを作った。600リットルの冷蔵庫はすでにパンパンだ。



でもまあ1人分も2人分も変わらないしね。


今やAは同じ土俵に立つ仕事上でのパートナーなのだ。課長もよく分かっていらっしゃる。



私はそんな上司と部下に助けられている。