今日は手短に。
私の職場にもクレーマーがいる。
クレームの原因はほぼ「待ち時間」だ。
私の職場では基本的に紹介状がなければ受け入れてもらえない。ゆえに基本は予約制だ。
だけど、朝イチでない限り絶対時間通りに進まない。時間は常に押し気味だ。いやそんなマイルドなものではない。常に押している。
基本的には順番通りなのだが、1人の時間枠なんてあってないようなものだ。
「◯時に予約してんのにまだー?」
「ちょっと順番見てきてよ」
それらの対応は基本的に私たちではなく各診療科の受付窓口がする。
ところが高齢になればなるほどそのヒートアップ具合も増すのだ。バカじゃねえの。
各診療科で対応できない場合は裏方の私たちの誰かが対応するハメになる。
課「おい◯◯科。お前かA行ってこい」
普通は誰も行きたがらねえよな。なのでほんとうになめらかに私かAが現地に派遣される。
私とAは公平に順番で対応にあたる。今回は私だ。めんどくせえなあ。
私は笑顔のモンスターに化ける。
私「すみません。私◯課の◯◯と申します。私がお話を伺います。まずあちらへ掛けませんか?」
他の方に迷惑なのでまずは場所を移動する。
私「改めまして私◯課の◯◯と申します。お名前伺ってもよろしいですか?」
うーん。我ながら見事に化けている。
だいたいクレーマーはこの時点でもまだ怒っている。ほんとめんどくせえ。
名前を聞き出せたら、まずは事情を聞く。それもひたすら頷き同意しているフリをしてやる。
待ち時間で怒っている人間には順番とか他の人も待っているというキーワードは絶対NGなのだ。
私「それはひどいですねえ。私ならもう帰ってますよ。それだけ待たされたら。◯◯さんが怒るのもよく分かります」
ク「そやろ?ほんまどんだけ待たせんねん」
相手がどんなことでもこちらに同意するまではひたすら話を聞く。そしてどんな小さなことでも相手が私に同意したらここでねじ込みにかかる。
私「◯◯さん、もし私がここのエラいさんだったら◯◯さんを絶対1番に診てもらうよう医者や看護師に命令してあげます。残念ながら今はエラいさんじゃないんですけどw」
だいたいこの辺ではクレーマーの怒りも治ってきている。
私「約束します。絶対に1番にしますよ。だって私、◯◯さんに1番に診てもらいたいですもん」
いやいや化けすぎだろ。
私「ただね、困ったことに私には1番に診てもらいたい方が他にもいっぱいいるんですよ。ここに来ている人みんななんです。」
医師や看護師もそう思って仕事をしていると伝え、
「◯◯さんも今日は具合が悪いからウチにきてくれたんですよね?せっかくきて具合が悪いのに5分で診察が終わったらイヤじゃないですか?」
ク「……そうやなあ」
私「みなさんそうやって医師に納得するまでいろいろ聞くんです。医師も納得するまで説明したり検査を入れたりします。なのでやっぱり時間はどうしても押して行きます。お願いですからご理解ください」
いやほんとに自分でも怖いくらい化けていると思う。
さて締めにかかる。
私「ご理解いただけて嬉しいです。何かありましたら私◯課にいつも居りますのでどんなことでもご相談ください。」
そして私は絶対守れない約束を再度クレーマーにしてから課に戻る。
私「私がエラいさんになったら必ず◯◯さんを1番にしてあげますからねw」
私がエラいさんなんかになれるわけがないのだwww
私には、エラいさんになったら1番にしなければならないヤツらが腐る程いる。