東京にいる。クズ3人と一緒だ。
すでに昨夜から私以外のクズは暴飲暴食に明け暮れ、どいつもこいつも我が家を出発する15分前になっても起きてこなかった。
氷が入った袋をパンツの中に入れてやった。
シャワーを浴びる時間もなかったためハミガキと着替えだけをさせすぐ出発した。
もちろんヤツらはほぼ手ぶらで前乗りしてきていたので、昨夜のうちに全員の着替えやらをスーツケースにブチ込んで車に積んでおいた。主治医は仕事用のスーツすら持ってきてなかった。私はそれも予想の範囲内だったので昨夜のうちに主治医宅へ取りに行っていた。私は貰い手さえいたらいい嫁になるだろう。
さて新大阪。縒れてゴミのような見すぼらしいクズ3人を引き連れ改札をくぐる。
この私含むゴミ集団を見た人は、絶対私たちを医療関係者だとは思わないだろう。
ドラマでよくある「この中にお医者様はいませんか!?」みたいな事態が起こったとして、私の主治医が「私◯科医です」と名乗り出たところで絶対信用なんかしてもらえないだろう。
それほど見すぼらしい集団なのだ。
クズ3人はコンビニで酒やツマミを適量とはいえない量を購入し新幹線に乗り込んだ。グリーンだ。主治医だけは出張に関する1泊分の費用は公費扱いなので、グリーンくらい奢らせてもバチは当たらない。(もちろんグリーン料金及び前乗り宿泊費は自腹)
当たり前だが私たち以外のグリーンの乗客はみんなシュッとしている。なんか目立ってるような気がする。我が家では普通の風景なのに、一歩外へ出るととたんに周りの皆さんに申し訳ないような気持ちになる。
「なんかすいません」
さて品川で下車。ホテルにチェックインするときもなんか恥ずかしかったので私が代表でチェックインした。
さて部屋割り。課長と主治医の組み合わせ以外ならなんでもいい。クズでも一応医者なのでバカ課長は私やAに対する接し方のそれとはまた違う。仲は普通にいいのだが。
結局、主治医が
「体の隅々まで細胞レベルで知っている俺が◯◯と同室が適当だろ」
いやらしい言い方すんなよ。クズ以外の人間が聞いたら絶対引くわ。
そして主治医と同室。別に何の問題もない。
午後6時過ぎにメシを食って一旦ホテルに戻り主治医たちは「10時ごろ起こして」と言って仮眠を取っている。バカか。
しかし東京に来てから思ったのだが、こちらの方は「逆に」という言葉をよく使うのだな。
「えー新橋とかの飲み屋とかってえ、んー逆にオシャレ?」
じゃあ上野行っとけ。もっと先を行ける。
「それって逆に新しくない?」
新しくない。古いものは古い。
すぐ股を開くような女と、すぐパンツを脱ぎたがるような男たちにその傾向が顕著に見られた。すげえバカっぽいからいい大人の皆さんは注意したほうがいいですね。
あとなんでも頭とかケツにローマ字で「Tokyo」とかつけんのもどうかと思うわ。
◯◯TokyoとかTokyo◯◯とか。
そんな看板が至る所にあった。ラーメン屋とかにも店の名前のケツに「Tokyo」の文字があった。
いやマジで引くレベル。なんでもかんでも付けたらエエってもんちゃうから。
関西では「KOBE」「神戸」とつけたら売上げが上がる現象と良く似ている。ほんとくだらねえ。神戸コロッケ、神戸本舗、神戸カリー。
確かに名前は大事だよ。ゴロ合わせも大事だ。でもそろそろみんな正気に戻ろうよ。
おそらく「◯◯N・Y」とか「PARIS◯◯」、「◯◯LONDON」あたりをパクってきてんだろうけどさ。
増えれば増えるほどその希少価値は下がる法則に気づいて、そろそろ新しいモノ作りましょうよ。
店名のどっかに「Tokyo」つけときゃ間違いないだろ。みたいな「安定を選んで勝負をかける」
って矛盾してると思うし、勝負をかけるならもっと攻めた感覚でいいと思うな。
なにで個性を主張したいのかがよく分からない東京の風景が私はキライだ。
あ、もうすぐクズたちを起こさなきゃ。