季節問わずニット帽をかぶる人って、意識高い系かうさん臭いプロフィールの人が多いような気がします。
昨日夕方の出来事。
私はいつもの通り定時ぴったりに職場を出た。
車に乗り込むと、主治医からラインと「あんたバカですか?」と思うほどの着信履歴があった。
私の職場では看護師・療法士以外は特にスマホについての規則はない。私も普段持ち歩く。たまたま昨日だけ自分のスマホをカバンに突っ込んだまま忘れていたのだ。職場内での連絡は専用スマホがあるので仕事での連絡は特に困らない。だいぶ機能制限はあるけれど。名札とともに首から下げてるダサいやつね。
バカ主治医からのラインは、
「今日帰り拾って」というものから始まり、最後らへんは「シカトかよ」「電話出ろよ」「るいちゃーん(*'ω'*)」など、めんどくさい言葉が並んでいた。
どうせ着信はそれに関連することだろう。
一瞬悩んだ。今日は帰ってから犬のワクチンで病院に連れて行く予定だったのだ。
よし、ほっとこう。
そう決めたのだが、既読がついたと思われる瞬間に電話がかかってきてうっかり出てしまった。
犬を先に車に放り込んで、主治医を迎えに行く。主治医は専門外来のため、昨日は違う病院で勤務していたのだ。まあ遠くもないからいいんだけれど。
主治医と犬を乗せ動物病院に向かう途中、ニット帽をかぶり、全身黒のシュッとした人が、これまたシュッとした犬を連れて信号待ちをしていた。信号が変わり私は左折しようとしたが、その人が横断歩道を渡っているので、当然私は待っていた。
その人は電話をしながら小走りで、私に軽く頭を下げ爽やかに横断を終えた。シュッとした犬はミニピンとかいうやつだろう。ちゃんとメシ食わせてる!?というくらいスリムでキャンキャンやかましい犬だ。(私の勝手なイメージ)
主「ほおおお。意識高そうな人がシュッとした犬連れてはるわー。礼儀正しいなあ。CMみたい。」
私「ほんまほんま。爽やかでニット帽かぶっててもうさん臭くないし、犬もシュッとしてるわあ」
お前のブタ犬とは大違いだ。コイツらな。
なんだと?
しばししょうもない口論をはさみ、
さて本題です。
私が臨時講師なんかを務める職業訓練校には様々な理由で受講しにくるヤツらがいるが、だいたいは「それに関連した職業に就きたい」という目的を持って入学してくる。
真面目な受講生もいるし、給付金を転がすために入学してくるヤツらもいる。
まあ職場訓練というだけあって、ほぼみんな初めてその就きたいと思う職業に関連する訓練を受けるわけだ。なので、基本的には
スタートラインは同じである。
私が講師を務め始めたころ、なかなか授業が進まない日々が続いた。
たまたま、とある出来事でそれが判明したのだが。
一例で言うと、私の仕事に関する言葉には、「けん」という文字がよく出てくる。
保険、検査、治験、健康、腱、見、研などなど。
もちろんこれだけではないし、かなり難解な漢字もよく出てくる。
残念ながら、それらの漢字を読めない書けない生徒が多い。
授業が進まないのは、私が当たり前に使っている言葉や漢字(専門用語ではなく日常会話レベル)につまづいて、そのたび読み・書きなどの解説を行うからだった。
つまり、
訓練校でのスタートラインは同じですが、訓練校に来るまでの過程に問題があるようでした。
先生の言ってること全然わからへん。
医療の「療」ってどう書くの?
入院中の患者以外の患者ってナニ?
(これは私も理解に苦しむ。解釈本やテキストってなんでこんな回りくどい言い方するかな。)
普段の私ならキレるところですが、
キレてませんよ。
様々な理由で訓練校に来ている彼らの中には、もちろん自業自得な輩もいるのだが、そのときの私は、「コイツら一人前にできたら私ってカッコいいじゃん」みたいな安っぽい理由で、けっこうマジメに彼らと向き合うことにしたはずだ。
まず行ったのは、試験や実技なんかでよく出るキーワードをテキストすべてから洗い出し、自分の授業を録音して、私がよく使う言葉や、小難しい漢字の読みなどをピックアップしてA4用紙10枚程度にまとめあげた。
ここからはいつもの私です。
3日やる。
コレ頭に入れてこい。
それで付いて来れないヤツは、小学校からやり直せ。
彼らは休憩中も私が作った資料を眺め、修了式の日までずっと使い続けていてくれた。
私たちが普段当たり前と思ってることは、立場が変われば当たり前じゃない。当たり前だけど。
今では新しい受講生を受け持ったら、その資料を渡し、私が受け持つ最後の授業でボロボロの資料を見るのがちょっとした楽しみになっている。
あ、もちろん関西人なんでクスッとするようなポイントも押さえてありますよ。
クズが喜びそうなキーワードをところどころに散りばめています。
U-検
しょんべんで行う検査のこと。
F-◯◯
うんこで行う検査のこと。
訓練校に新たな超個人的妄想研究所監修のテキストと、るいゴロが誕生した瞬間である。
主治医とブタ犬の昼寝