前回のエントリーで少し触れた母親の話。
母親は来る日も来る日もパン作りに勤しむ御年75歳の後期高齢者である。昔からわりとメリハリの効いた人柄で、我が家にあった骨董的価値のある某ピアノを、
ピアノなんてどれも同じでしょ?今売らなきゃいつ売るの?
と言い出し、バブル崩壊寸前に高値で売り払った前科のある女だ。私が音大を断念した要因のひとつを作った女でもある。
私が中学時代、「塾の帰りに喫煙している」という濡れ衣を着せられ(ヤンキーたちの嫌がらせ)、ヤンキーの母親たちと一緒に学校に呼び出されたときは、
電話のみの対応。
で済ませ、迎えに来なかった前科まである。
後日談。
やってないなら私が行く必要はない。行ったら認めたことになる。
50代の時はスイミングスクールにアメリカンバイクで通っていたし、PC・スマホ歴も長い。昔PCを買い与えた時は、変なサイトの架空請求でオタオタしていたのに、現在では自分でMacBook Proを買ってセットアップしたりしている。過去に変なサイトをワンクリしまくっていた女とは思えない仕上がりである。
まあこんな母親だ。
さて本題。
そんな母親は、私の同僚Aが大好きなようである。同僚Aとは、羽生結弦似のシュッとしたビジュアルで、職場でもメスたちを勝手に発情させている20代の若手クズだ。
Aはとにかくよく食う。母親が作ったモノを片っ端から食い散らかす姿が母親の気に入ったのだろう。以前、両親宅ですき焼きをした時は、およそ1.5キロはあった肉を1人で食い散らかし、私が肉を買いに走らされるハメになったその状況を、母親は恍惚とした表情で見下ろしていた。
そして、先日の話。
母親が我が家に出来立てのパンを父親と一緒に持ってきたとき、同僚Aの話になった。
母「Aくんってまだ結婚しないの?」
私「さあ知らねえ。特に聞いたことないわ。」
母「付き合ってる人は?」
私「知らねえよ。そんなの自分で聞けよ。」
父「いや、Aくんが結婚したらコイツ(私)の面倒見る人が減るから結婚はダメだ。」
私「…(ハァ?意味わかんねえ。)」
母「いい人がいるから、紹介したいんだけど。」
私「はあ?そんなのアイツは迷惑かも知れないじゃん。やめとけやめとけ。」
父「そうそう。Aくん困るよ。」
母「だからさあ、付き合ってる人いるの?」
私「(しつけえな。)毎日のようにウチくるから、たぶん居ねえんじゃねえ?聞いたことはないけど。」
母「ふーん。じゃあ紹介してあげよう。」
私「だから迷惑だったらどうすんだよ。それにもし、アイツがゲイだったら迷惑以外の何者でもないだろ。」
母「大丈夫。どっちも用意してある。」
…えーと。同僚Aがゲイだったときのために、紹介予定の男性が居るってことですか?どこから見繕って来たんですか?いろいろとあなたには聞きたいことがあるんですけど。
用意周到な母親は、御年75歳の後期高齢者である。