いい感じに寂しい夏の終わりの空と、
あとは色付くだけの稲。
私の散歩道だ。見事な田舎だろう。
今日は仕事を休んだ。定期的な通院のための休みだ。昨日に引き続き主治医とは医者と患者という立場で会う。定期的な診察とかいる?1週間に1回はほぼ必ず会うのだ。なんて愚行を私たちはしてるのだろう。
今日は父親の通院と合わせたので、父親も一緒だった。車の中で父親が聞きにくそうに私の友人について聞いてきた。
父「あの黒い人は?」
私「は?黒い人?マスターのこと?」
父「こないだトマト届けたときいた人。お前ら…」
私「ないない。」
父「…Aくんは?」
私「もっとない。」
父「そうか。いい人いたら俺はなんも言わんから。」
うわーなんか気まずい。
どう答えたら良かったんだよ。
そうこうしてるうちに病院に着いた。私と父は一旦別れ私は採血のため採血室へ向かう。
看護師「今日は11本取りますねー」
私「…はい。(どんだけオーダーしとんねん…3つの科の分をいっぺんにするからしょうがないけど…)」
そして診察。私の主治医の診察は1番最後にしてある。
主「毎度」
私「こんにちは。失礼します」
いつもはタメ口なのだが、今日は研修医らしきヤツが2人後ろに立っていたので言葉を選んだ。
主「この子たちに診察してもらっていい?」
私「…はい。(ぜってーイヤなんですけどしょうがない)」
血圧・聴診器・触診・etc。ヘタかこいつら。
主「◯◯さん。いつも通りやって欲しいんやけど。この子らに遠慮しないで」
そういうことか。
私「聴診器冷たい。そーゆーの事前に患者に言った方がいいよ。血圧モタモタしすぎ。触診長い。触りすぎ。変な気なくてもそう思われる。微妙やったら一旦手を離して仕切り直したほうがいい。」
主治医は笑っている。研修医らしきヤツは固まっている。私も主治医もフォローなどしない。研修医はそうやって育つのだ。
私「で、問診もこの人たち?」
主「そー」
私は聞かれるままに、普段の食生活なんかを答えた。主治医は「ウソつけ」と所々突っ込んできた。
私「今日はお父さんときてて、待ってるだろうからさっさと帰る」
主「あ、後で挨拶いくわ。」
私「いやいいです」
主「どうせ会計と薬でまだ1時間くらい居るやろ?」
そうなのだ。この病院はとにかく待たされる。
1階の会計で父親と落ち合い延々と自分の会計が来るまで待つ。会計が済んだ領収書におくすり引換券が付いているのだが、だいたい会計が済んでも30分以上は待たされる。
そうこうしてるうちに主治医がやってきて父親に挨拶していた。
父「先生。コイツ何も言わないんですけど、いい人いないんですか?いたら俺はもう何も言わないのでくっつけてやってください」
主治医もちょっと困っている。そりゃそうだろう。
主「心配なのは分かりますけど、本人が今の所は興味ないの一点張りなので」
父「黒い人とかAくんてどうなんですかね?よく一緒にいるから…」
主「あーAくんね。いい子ですよ。マスターも気にはかけてるみたいですけど」
おい余計なこと言うな。ちょっと父親の目がキラキラしてるじゃないか。
分かるけれど…父親も年老いたのだ。墓守りもしなくていいとまで言っている。私のことが心配なのだろう。自分が逝った後、私が昨年のようなことになったらとかパートナーみたいな末期のガンになったらとか考えてしまうのだろう。
主「大丈夫ですよ。この人今の職場で△△課長の完全な管理下ですし何かと重宝されてます。私もちょくちょく様子を見に行ってますから」
ちょくちょくどころじゃねえだろ。
父「そうですか…一度Aくんかあの黒い人に先生から聞いてやってください」
主「わかりました。任せてください」
チッ、めんどくさいことになった。主治医は普通に面白がってヤツらにちょっと盛って話すだろう。今日早速ヤツらにラインするかも知れない。
父親はマスターを黒い人で覚えてしまってるし。やれやれ。
私「おい余計なこと言うなよ」
主「お父さん心配なんよ。つくべきウソはついとけ」
そんなことがあっていろいろ考えてしまった。なんか昔のちょっと色あせた記憶まで引っ張り出されてきたわ。
父親を家に送り届け私はちょっと車でブラブラすることにした。
シルクロード、センチュリー、プラザ、マンモス、フェニックス、ヘリオス、ニュートーキョー。
何か分かるだろうか?私が昔通っていたパチンコ屋の店名だ。見事な昭和センスのネーミングだろうw
シルクロードはアラジンIIをよく打った。今はもうない。15年くらいは経つのかな、更地になっていて買い手もつかず放置されている。荒れ放題だ。バイパスが出きてから客足は遠のき閉店に追い込まれた店だ。
センチュリーはチェーン店なのかあちこちにあったなあ。今は名前を変えてどこかでほそぼそとやってるのかな。この店では尚球社のチャレンジマンだかミラクルを打っていた。黒いビッグ図柄のイメージが残っている。パチンコではおばけらんどとかな。だいぶ前に潰れ今ではガソリンスタンドになっている。
プラザ(現在のスーパーコスモ)はスロットよりCRを打ってた。初期CRの花満開、黄門ちゃまとかだな。
フェニックス。ウチから歩いていけた店だ。高砂の7が5個以上でビッグとか(エニイセブンだったか?)の裏モノやアルゼのクレイジーレーサー、ソレックス、リニューアル前はムサシも打ってたわw エキサイトとかなw パチンコではわんパラをメインに追っかけてた。リニューアル後の店長は22歳の尖った二代目くんだった。カウンターのすげえブサイクなおばちゃんがリニューアル後は換金場に追いやられてたなあw 今では別の名前で低貸専門のパチンコ屋になってる。某チェーン焼肉屋系列ね。焼肉屋は倒産したはず。
ヘリオスはこの地区で数少ない6枚交換の店だったのでよくお世話になった。大花火30、あとサーフトリップだっけか?ディスクアップもよく打ったよ。ここは前触れなく閉店してた。いい感じに錆びた高々とそびえ立つ看板と荒れ放題の施設が今でもそのまま残っている。中を覗くと昔の遊技機もそのまま放置されているようだ。
やっぱ鬱なのかなw
私は最近こういうルーツ的なものを辿ったり昔の記憶を掘り起こすような行為をよくしてしまう。父親のことも考える。たぶん親不孝なんだろな。父親に墓守りはいらないと言わせているのだから。
冒頭の写真もバカな自己マンブロガーみたいでイヤだったのだけれど、日記として日々綴っているこのクソブログに私の今の世界観をビジュアルとして残しておきたくなったのだ。
それはそうとやっぱりというか、Aとマスターからラインがあり私はマスターの店にこれから向かう。Aは仕方なくタクシーで来てタクシーで帰るそうだ。
クソ主治医め。ほんと余計なことしやがって。でもまあ悪くない。
さて、私はどちらを選んだらいいのだろうか。
いやないない。絶対ないわ。