花沢がなんか言っている。
花沢とは、ご存知サザエさんに登場する、勘違いも甚だしいブスキャラのあの花沢さんである。私は名前を覚えるのが苦手なので、この目の前のブスを花沢と命名してやった。
先週の出来事。
花沢「Aくんにご飯食べに行こうって誘われたんですー。」
へ?お前誰だっけ?イキナリなんだよ。
あ、花沢か。
ああ、アイツ食い意地はってるからな。食いに連れてけだろ?
花沢「なんでやねん。誘われたって言ってるやないですかー」
ふーん。ブスでも生きてりゃいいこともあるもんだな。
花沢「ネットでホルモン屋検索してたら、Aくんが後ろから見てて、”美味そう、今度行こー”だってえ」
…それは誘われたことになるのか?
それにしてもブスが食いそうな、それらしい食い物を検索していたものだな。
さて部署に戻り、隣のデスクのAに、
私「お前花沢メシに誘ったんだって?」
A「ん?知らんけど。」
私「花沢嬉しそうに言ってきたぞ。」
A「えー。言ったかもだけど忘れた。」
だいたいの人はそうだと思うのだが、
ブスへの社交辞令的な発言は、ほぼ記憶に残らない。
私「花沢しっかり覚えてるぞ。」
A「えー。部署も違うししゃべったこともないんじゃないかなー。」
Aのブスとの絡みはこんなものである。
A「しゃべったことがあるんだったら、◯◯(私)が復帰したときじゃなかったかなー。」
それ、6月の出来事ですよ。
ブスはいつまでも覚えているものである。
私「まあとにかく、花沢待ってるみたいだから誘ってやれ。」
A「んー機会があったら。」
それで終わったかに見えた。
課「おいA。ちょっと会議室。」
Aがバカ課長に呼び出された。
Aが戻ってきた。機嫌が悪そうだ。
私「どした?」
A「課長に聞いて。(どーたらこーたら…)」
めっちゃ機嫌が悪い。なんだよ。
課長にラインを入れた。
私「どしたん?」
課「花沢がAからセクハラ発言されたって」
私「なんて?」
課「後でな。帰り送ってくれ。」
足に使われるのはイヤなのだが、面白そうなネタが転がり込んできたので快く引き受ける。
課長の話によると、花沢はAから「髪染めたら?」とか、「弁当美味そー。」とか、「家庭的だねー。」とか「あ、いい匂い。柔軟剤?」とかの数々のセクハラ発言をされて困ってるのだそうだ。
…それセクハラ発言ですか?
課長が言うには、花沢が鼻息を荒くして、
それって彼女に言うことでしょ!? ねえ課長、彼女に言うことですよね!?
だそうだ。なんかキモチ嬉しそうに言ってきたんだと。
ブスこえー。
メシの腹いせかなんか知らんが、その手に出てきたか。これは強制的に既成事実を作るキ◯ガイじみた行動に出てきたと思われる。
私「おもしれー。んでAになんて言った?」
課「花沢と付き合って丸くおさめろ。課長命令だ。」
おもしれー。
そういや、デスクに戻ってきたときAはこう言ってたな。
課長にパワハラされました。