医療系クズの雑記ブログ

いろいろあってブログ名変えました。クズ上がりです。

スペシャリストの実力問題。

そう言えば最近ブログの更新が数日おきになっていた。

 

ひょんなことから、Sくんという障がいを持つ男の子の資格のための勉強をみることになったので、その勉強を我が家で他のクズ(友人)たちとワイワイ言いながらやっていたのだ。

 

以下関連エントリー

圧倒的閃き!前向きのバカならまだ可能性はあるが、後ろ向きのバカは可能性すらゼロ…。(パクリではなくオマージュです。) - 医療系クズの雑記ブログ

診療報酬請求事務。

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医科と歯科があるのだが、Sくんは医科のほうを受験予定だ。

Sくんは医療系はまったくの素人で、10月下旬からやっと職業訓練に通い始めたばかりの子なのだが、現在の能力レベルは「職業訓練修了直前レベル」である。いやいや、実務経験3年レベルかも知れない。

私を含むスペシャリスト4人(全員クズ)が勉強をみてるのだ。当たり前である。

結局、仕事に就くと資格なんてあまり意味を持たなくなるんだけれど、仕事に就くまでの能力の証明としてはやはり必要だ。

私と同僚A、上司のバカ課長は、その資格の医科をもっている。他にもしょうもない資格を2つ3つ持っているのだが、あまり役には立っていない。

 

現在はほぼ診察から精算までパソコンで一気にできちゃうので、その資格や知識はやっぱりあまり持ってても役に立たない。まあ「間違い探し」的な感じで知識は多少役に立つこともある。

 

診療報酬請求事務能力検定。

年二回。試験時間は3時間。テキスト持ち込み可。普通に考えて余裕っぽいが、なかなかそうはいかない。

1人の患者の一月分のカルテから、レセプトと呼ばれる保険者(ほけんじゃ)へ送る請求書みたいなのを手書きで作成するのだ。手書きだよ?手書き。バカじゃねえの。

外来患者と入院患者のレセプトを作るのだが、なかなかのボリュームがあるので、試験時間が3時間あっても足りないくらいだ。

 

例)

以下の内容を元に平成29年8月分のレセプトを完成させなさい。

 

2日(19時)

寒気と腹部の痛みで来院。食欲(−)

腹部CT(電画)

U-検、尿沈渣(鏡検法)

B-抹消血液一般、像(鏡検法)、

B-Alb APTT BS BUN CRP GL T-bil HbA1c Tcho

 UA UN TG Nacl HDL γ-GT HVA GH 

B-CEA CA19-9

B-ABO Rh

トキソプラズマ抗体定性、抗体半定量STS定量

検査結果は検体・画像診断ともに文書にて説明。

 DIV  ビタミン◯◯ 500m 1V

         ブドウ糖        500m 1V

9日

血中濃度測定(初回◯年◯月)

喘息について療養・食事指導。

RP)1.テオフィリン2T 朝夕食後

       2.レンドルミン1T 就寝前     14TD

       3 イソジンガーグル  30m

         

18日(日)

医学管理。

胸部単純X-P(電画)

RP)1.2.3 do

 

26日

創傷処理2

デブリードマン、真皮縫合

 

 

テキトーだが、こんな感じで問題が出され、全ての診療行為の点数を月ごとに算定する。

2日のB-なんちゃらってのがある。どれも血液検査なのだが、血液検査でも1つ1つに点数がある。◯項目まとめて◯点みたいなのもある。血液検査ひとつとっても、生化1、生化2、免疫学、微生物、腫瘍マーカーなどいろいろあり、イジワルで微妙にバラけて配置されていたりする。生化1のグループの中にポツンと生化2が紛れ込んでたりね。レセプトに書くときは、各検査ごとのカテゴリー分けをしないと減点される。

てんかんに使用する薬の血中濃度測定も細かなルールがある。初回は◯点で、1月目◯点、4月目以降は◯点とか。

 

RP)は投薬の意味でdoは同じ内容を処方ってこと。薬は、内服・頓服・外用薬で分かれており、それぞれ計算方法が変わる。

 

CTやX-Pなどの画像診断も、月初は◯点加算、電画保存◯点などのルールがある。

 

時間外や休日に検査や画像診断をしたりすると、緊検・外迅速・緊画なんかの特別ルールがある。内容を見てどれを算定するか、どれが算定できるかなど、慣れないと難しい。

 

医療報酬は2年に1回改定があるので、細かい点数は覚えていてもアテにならない。

ルールも変わったりするので、その度パソコンの設定を変えたりする。なので、まあこういうアナログな知識も必要なのかな。人間が操作するものだからね。

 

入院レセプトはまた外来とは違うルールがあり、ややこしい手術や処置なんかが絡むともう何がなんだか分からなくなる。麻酔◯分、酸素◯分、輸液◯mlとかね。

 

ちなみに友人の主治医(クズ医者)は、医師の国家試験とはまた違った難しさがあると言っていた。ある意味、私たちは医師より病名や術式、薬品名を知っているかも知れない。

 

私たちスペシャリストがSくんに英才教育を施した結果、Sくんはまだ職業訓練に通い始めたばかりなのに、その資格の外来の対策問題を多少時間はかかったが、92点という驚くべき高得点でクリアした。

 

後はまあどうでもいい余談です。

 

バカ課長68点 不合格

同僚A     72点 不合格

私           48点 お前勉強し直せレベル

主治医    22点 お前医者辞めろレベル

 

…まあ、手書きのレセなんて必要ないから。