中国人。
いいお客様だ。
最近ウチでは、自由診療を受ける中国人患者が多い。まあ富裕層と呼ばれる人たちなんだろう。彼ら曰く、モノより健康にお金をかけるのが本当の富裕層なんだそう。
家族全員のドック入院で数百万落としていく。
不安をすべて取り除くため、ありとあらゆる検査を受け、何か見つかればそのまま治療までしていく。誰か1人でも【◯◯の疑い】なんてことになったら、滞在を延長してまで日本の医療を受けていく。
中国の医療現場を見たことはないが、医師や看護師、ペーペーの職員なんかも金で動くヤツらばかりで、治療費以外にも袖の下みたいなのが必要だそうだ。
順番は早くなるが、医療行為自体はテキトーだそうです。
そんな彼らは日本が大好きになって帰っていく。
トイレに感動。
どの階のどのトイレに行っても広くて清潔で、すべてのトイレがシャワートイレだったことに感動したそうだ。そりゃよかったね。
院内に24時間のコンビニ。
まあ確かに街のコンビニに比べて品揃えは豊富だと思う。だいたいどの時間に行っても、陳列棚がスカスカなんてことはないし、ちょっとした医療道具(シリンジとか各種医療テープ類など)も売ってる。変わり種で言えば白衣とか。
どの商品にもポイント付きます。使えます。
医師・看護師・技師・患者(外来・入院)。
いつも駅構内のような賑わいを見せている。近隣のコンビニとは比べものにならないくらいの稼ぎがあると思う。日本でもまだ【とってつけた売店】みたいなのが多いと思うが、中国ではどうなんだろうね。ショボい売店で独自路線のアウトグッズなんかが売られているのかも知れない。
院内にコーヒーショップ。
某有名コーヒーショップが入っている。こちらは残念ながら24時間ではないが、コーヒーの他にモーニングセットや、ホットドッグ・サンド類などの軽食もあるため、いつも賑わっている。私がよくサボっているところだ。院内に2ヶ所ある。中国人にはめずらしいのかな。
病院食。
いやまあドック入院は基本的に治療・療養じゃないので、そこそこ健康的でいいモノは食える。入院前にアレルギーやリクエストなんかを聞いておく。中華風にアレンジすることも可能だが、だいたい副菜が豊富な和食をリクエストされる。
彼ら曰く中国の病院食は、何もかも冷めていて、ご飯もパンもすべてパサついているらしい。ブタのエサみたいなんだそうだ。病院なのに、食材がまず信用ならないと言う。怖い怖い。ウチは食事提供時間の6時間前までに言えば、だいたいのリクエストは通る。パンに変えてとか、肉から魚へとか、これはミキサーかけてとかの簡単なやつね。メニューをごろっと変えるには前日に言ってもらえばなんとかなる場合もある。
医師・看護師が素晴らしい。
おそらく接遇のことを言ってると思う。ウチは接遇には厳しい。医師でも外部委託業者でもだ。なかなか容赦なくヤリ玉に挙げられる。数ある医療法人や系列病院との競争なのだ。ここは経営陣のセンスが光るところだ。笑顔はできて当たり前、丁寧かつフレンドリーに接することが義務づけられている。
担当医師・看護師たちは彼らが病院を出るまで担当である。
もちろんよっぽどのことがないかぎりお見送りするまでが私たちの仕事である。
私はたまにそんな光景を見ることがあるのだが、私はいつもこう言いそうになってしまう。
ありがとうございました。またどうぞ。
大きい病気が見つからなくて良かったとは思うのだが、
「特別室をご用意しますので、何かあればぜひウチでお願いします!」
くらいは思っちゃうよね。
だって彼らはいいお客様なんだもん。