どーでもいいハロウィンイベントが終わったと思ったら、今度はボジョレーヌーボー解禁イベントである。バカバカしくて涙が出そうだ。
毎年毎年変わり映えのしない雑なコピーとともに解禁になるボジョレーヌーボー。
毎年毎年【今作は過去最高】的な表現で消費者を惑わせ、明らかに深みに欠ける浅いワインをバカ舌のバカに売り付ける詐欺まがいのイベントが各地で繰り広げられている。
今年はインスタ脳のバカも巻き込み、インスタ映えのするロゼが流行なんだとか。
バカバカしいったらありゃしない。
かくいう私も【ボジョレーヌーボー解禁イベント】のインビテーションが何通か届いたが、そんな酔っ払いのバカたちが集うイベントなんかにはまったく興味が湧かなかったので、もちろんシカトするつもりだった。
シカトするつもりだったのだ。
ところが…
とあるイベントの招待状が、私の友人で主治医でもある医師のクズ野朗にも届いたらしく、タダ酒と酒のお土産が何より好きな主治医が、
「いや、行くしかないだろ」
引きずっていかれました。
会場は、大阪の某高級ホテルの◯◯の間。とりあえず、わりとランクが高いイベントのせいか、バカっぽいのは少なかった。
さて、お約束のカウントダウン。
バカバカしいので、私と主治医は会場の隅っこで用意された食い物をガツガツ食っていた。
メディアの人間も来ている。こんなのがニュースになるのか。ほんとバカバカしい。
あ、出た。インスタ脳のバカたちがスマホ片手にスタンバッている。
別にドレスコードとかなかったのだが、ソイツらは披露宴に招かれたゲストみたいなドレスアップをしている。髪も盛りまくりだ。
いや、ホントにサブい。
キャー!世界で一番先にボジョレー飲んでるー!
やはりインスタ脳のバカだ。
たぶん、オーストラリアあたりの人間がお前らより早く飲んでいる。
残念ながらお前らは数千万人目だと思う。
さて、やっとボジョレーが解禁になったし、私たちもとりあえず水のようにボジョレーとやらをガブガブ飲んでみた。特に感想はない。用意されていた食い物のほうが美味いような気がした。
メディアの人間たちはいろんな人にインタビューをしていたが、みすぼらしい私たちには近寄っても来なかった。そりゃそうだろう。ワインを水のようにガブガブ飲み、そこら中の食い物を食い散らかしている、【うまく潜り込めた薄汚い連中】にしか見えない放送コードぎりぎりの私たちなんかに興味はないのだろう。
さて、散々食い散らかして腹一杯になって来たので、お土産のワインをいただいてさっさと帰ろうとしたとき、見たことのあるイベンターとイベント主催者が近寄ってきた。
大層ご丁寧な挨拶をいただいたが、私たちはいい感じに出来上がっているし、挨拶なんてどーでもいいので、お土産のワインをもっとくれと大層失礼なお願いをした。
太っ腹な主催者は、10本ほどのワインとチーズの詰め合わせとキャビア缶をくれた。
素晴らしいイベントでした。来年もまた来ます。
そう主催者に誓って私たちは会場を後にした。
タクシーを拾って自宅に着くと、早速土産のワインとチーズで酒盛りを始めた。全部タダなのだ。これ以上の幸せはない。
往復のタクシー代のほうが高くついたのに気づいたのは、つい昨日である。