医療系クズの雑記ブログ

いろいろあってブログ名変えました。クズ上がりです。

赤ちゃん誕生時と患者死亡時の病院では、こんなことが行われている件。

誕生と死亡。当たり前だが、病院ではこんなことが毎日のように繰り返されている。

 

私たち医療にたずさわる者としては、基本的にそのどちらにもあまり感情を動かされることはない。感情は仕事の邪魔になることも多いので、ウチの病院では周産期センターや、ICUはある程度経験を積んだスタッフが配置されている。いわゆる化けれる者たちだな。

まあしかし、彼らも人間なのでその現場に直接たずさわった者は多少なりとも何らかの感情はあると思う。なんとなく雰囲気で分かる。

 

私たち裏方も、患者死亡時はいろんな人の気持ちを察して、私たちの仕事が滞ることになっても急かすようなことはしないし、逆に赤ちゃん誕生時は、スピードが命みたいなとこがあるので、新生児の連絡を受けたらすぐその赤ちゃんの登録をする。病棟が誕生から分刻みで赤ちゃんの管理を行えるように、まだ名前もない赤ちゃんのIDや電子カルテを作成するのだ。

 

それらの瞬間はいつやってくるか分からないので、ウチの病院では救急外来のスタッフが対応しています。

 

余談だが、救急で運ばれてくる患者さんや、そういった業務が控えてる救急外来に、明らかに時間外であろうと思われる時間に、

  1. 予約の変更。(昼間にしてこい)
  2. 支払いの問い合わせ。(同じく)
  3. 薬だけ欲しい。(無理です)
  4. ◯◯Dr.と話がしたい。(できません)

みたいな電話や、【熱っぽくて…】みたいな明らかな軽症患者(コンビニ受診)はホントに迷惑です。

 

では、タイトルに沿った本題です。

 

患者死亡時の病院では、だいたいこんなことが行われています。

患者が危篤状態になったら、病棟やICUから家族に連絡が行き、救急外来にもその連絡が飛んできます。

「◯◯さん、ID◯◯◯-△△△。のご家族が来られたら(病棟・ICU)まで誘導してください。」

みたいな感じ。

できるだけ、息を引き取る瞬間に立ち会ってもらえるように私たちは尽力する。

息を引き取られたら、医師が死亡診断をする。その後は家族さんが納得するまでそっとしておく。呼ばれるまで待機するのだ。

病院で亡くなった場合は、そのまま死亡診断書を持って役所などに行けばいいが、自宅で亡くなられた場合は、消防か警察に連絡しろよな。たまに、

【朝起きたら息をしてなくて、冷たくなってたんですけど、どうしたらいいですか?】

みたいな問い合わせがあるが、病院では対応できません。

 

家族さんが落ち着いたら、エンゼルケアと呼ばれる処置をおこなう。手伝ってくれる家族さんもいりゃ拒否する家族さんもいる。生保の人なんかは身元引受人に電話連絡のみで、誰も来ないままそっと死体安置所に運び込まれたりする。エンゼルケアが終わると、死体安置所までは人目に触れることがないように配慮され、エレベーターの確保や通路の確保を連絡を取り合いながらおこなう。

その後は【死亡退院】という処理をおこなって家族さんには、後日会計という流れになる。

ウチでは、基本的に死亡患者の退院時には、よほどのことがないかぎり、その患者さんにたずさわった医師や看護師たちが見送るようになっている。その時ばかりは普段ドライに化けている者たちもほんのり涙することもある。

医師や看護師たちのいろんな感情が交錯する瞬間でもある。

 

 

赤ちゃん誕生時は、だいたいこんなことが行われています。

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基本的に、患者さんには部署や病棟直通の電話番号は教えません。ただし妊婦さんは別格です。分娩が近づいてくると、妊婦さんには周産期センター直通の電話番号が教えられます。妊婦さんは、陣痛兆候や破水があったりすると、直通電話をかけて周産期センター看護師に指示を仰ぎます。そのまま来院されたり、場合によっては救急車で搬送されてきます。

だいたい、自然分娩ならダンナさんとかお母さんと一緒に来られます。

妊婦さんから周産期センターに連絡があると、周産期センターから救急外来にも連絡が飛んできます。

「◯◯さん、ID◯◯◯-△△△。分娩で来られます。来られたら周産期センターまで連絡ください。」

こういう流れで、妊婦さんが来たら周産期センターの看護師が救急外来まで迎えにくるのだが、自身で歩いて病棟まで行く元気な妊婦さんがほとんどである。

それから数時間後、赤ちゃんが誕生したら、救急外来に連絡が入る。

「◯◯さん、男の子、自費。」

それをメモして、新生児のIDを伝える。

「ID◯◯◯-△△△△」

 

それからは猛烈なスピードで新患登録をおこなう。名前はまだないので、妊婦さんの名前の後に◯△ベビーという具合で患者登録をおこなう。赤ちゃんにはまだ保険証がないので、疾患を持って生まれた子や、保険証ができるまでの万が一の治療などのための専用の保険コードを入れる。この辺は少しややこしい話になるので割愛するが、新生児誕生の負担金についてはなんの心配もいらない。きちんと手順を踏んだ出産なら、自治体が面倒を見るのが当たり前なのだ。

ウチでは、新患登録を行うと自動的に診察券が発行される。(発行しないようにもできるのだが)赤ちゃんでも例外ではない。登録をしてEnterキーを押すと、◯△ベビー・平成◯年◯月◯日と印字された診察券が出てくる。

その診察券は赤ちゃんに名前がついて、保険証が発行されるまでの仮診察券で、診察券として使うことはほぼないのだが、ウチでは記念として妊婦さんに差し上げている。

 

 

この時ばかりは、無関心・無神経・無感動者だと言われる私でも少し嬉しい。

 

 

えーと。たまーにですが、猛烈なスピードで登録をするので、◯△ヴェビーとか、◯△ネビーとかの誤字をやらかして、嬉しい瞬間にケチがつくときもある。その時の診察券はミスした当事者がミスを隠蔽するため持ち帰ることが通例となっている。

 

 

我が家にはそれらがなぜか数十枚もたまっている。だってなんか捨てれないんだもん。