酒も進まないし、歯を磨いて寝ようと思ったのだが、眠れない。眠剤を飲んで無理やり寝る方法もあるのだが、友人でもあるバカ主治医がバカでクズのヤブ医者のクセに、
眠くなけりゃ起きてりゃいいだろ。どうせいつかは眠くなるんだから、眠剤なんか飲むな。それなら犬と川の字になって横にでもなっておけ。
とか、処方した張本人がこんなことを言ってくるのだ。
いやいやお前が処方したんだろ。とか思うのだが、まあそれも一理あるな。なんて気持ちも少しあり、眠剤の服用にためらいを感じてしまうのだ。人間も犬も草木も花も自然が1番だもの。どうせそのうち眠くなるだろ。というわけで眠くなるまでクソブログの執筆を行うことにした。
我が家の近所には、友人が経営するハワイアンテイストのカフェがある。クソ田舎ではわりと敷居の高そうなコンセプトの店なのだが、マスターの見てくれと、素朴な人柄のおかげかだいたいいつもそこそこ賑わっている。夜は酒も出す店になるのでたぶん儲かっている。私はそのカフェに犬を連れて朝メシを食いに行ったり、閉店間際にちょっと一杯引っ掛けに行ったりする。で、こないだそのカフェのマスターがふらっと「アーモンドフィナンシェ焼いたから」と我が家にやって来たときに、こんな話を始めた。
マ「こないだるいちゃんAくんと2人でウチ来たじゃん?そんときに居たお客さんがさぁ、るいちゃんのこといろいろ聞いてくるわけよ。こっちはなんで?って思うじゃん?で、聞いたらさ…るいちゃんがスゴイものしょってて、店に入ってきた瞬間空気の流れが止まったって言うのよ。」
私「はぁ?なんだそれ?」
マ「その子、自称見えるって子でさあ、すげえるいちゃんのこと聞いてくるんだけど、俺はこーゆー商売だから言えることと言えんことがあるじゃん?だから聞き役に徹したわけよ。」
私「ふんふん。」
マ「で、るいちゃんには悪いモノも良いモノも含めて顔と…」
ここでマスターが言い淀む。
私「なんだよ。言えよ。」
マ「左足がボヤけるくらいの塊がまとわりついてるって言うの。」
私「………。」
マ「俺ちょっとゾクっとしたわ。」
私は目にある事故の後遺症と、左足には障害を持っている。さらに言うと難病指定疾患も持っている。マスターがゾクっとしたのはそういうことだろう。まあ私は一般的なリアリストの側なのだが、この広い世界にはそういうフィルターを持った目の人が居てもおかしくはないと思っている。それをマスターに告げると、
マ「えー意外。るいちゃんその場にいたら【なんだお前?】とか絶対言うでしょ?」
私「うん。その場いたらね。」
ただ私は目の前で、インチキ霊能者みたいな曖昧なことではなく、体の部位を特定する直接的なことを言われたら固まるかも知れない。確率的に言って偶然の一致とも思えぬ的中率だ。ソイツには私がどう見えているのかは分からないが、少なくとも見た目には分からない私の障害や後遺症のある部位に違和感を感じているのだ。
違和感だけならまだいい。ただ友人にも話してないこと。それまで見えていたら私はソイツにただならぬ恐怖を感じてしまう。
私の罪と罰。そして「償い」。
生涯背負うものまで見透かされていたとしたら、私はソイツに恐怖を感じながらも、少し救われた気になるのかも知れない。でもそれじゃダメなのだ。私は生涯を使って償わなければならない罪を犯しているのだ。
ソイツとは今後バッティングしないことを願う。
よし久々に犬たちと川の字になって横になろう。バカでクズなヤブ医者の言う通りだ。これだけで眠れそうな気がしてくるから不思議だ。