医療系クズの雑記ブログ

いろいろあってブログ名変えました。クズ上がりです。

保険証について医療従事者っぽく解説してみた件。

今日は誰もが使うけどあまり知られていない保険証の話。

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基本的に日本は「国民皆保険(こんみんかいほけん)」という制度があり、この世に生を受けた日から亡くなるその日まで加入する健康保険がある。

現在の制度をざっくりと…

 

  1. 子供は2割負担。
  2. 大人は3割負担。
  3. 70歳以上が2割負担(要高齢受給者証)
  4. 75歳から1割負担(後期高齢者保険証)
  5. 生活保護(保険診療は10割自治体負担)

 

といった具合だ。ただ所得や自治体の制度によって負担割合はこの限りではない。

例えばだいたいどこの自治体でもやってる子供医療は、保険証と自治体発行の医療証がセットで提示されれば、自己負担分である2割を自治体が負担してくれ、残り8割が保険者(ほけんじゃ)負担となる。なので子供は窓口負担がない実質無料となるわけだ。

例)診療点数がトータル1000点だとすると、診療費は、点数×10円で10000円となり、そのうち自己負担分の2割である2000円が患者負担(自治体負担)、残り8割の8000円が保険者負担となる。

残り8割を病院側が保険者に全部請求するかと言えばそうではない。市町村からの助成、国からの助成とかいろいろあるので、病院側は患者から提示された保険証と医療証等で請求先を振り分けている。

レセプトと呼ばれるすべての患者のひと月あたりの合計を毎月末締めで作成して翌月10日までにそれぞれの請求先に送りつけて、審査が通れば病院側へ支払われることとなる。だいたい医療事務員は毎月10日までピリピリしている者が多いし残業も増える。レセプトに不備があれば当然却下される(返戻)。その場合は訂正して再請求する。お金が入ってくるのはレセプトを提出してから不備がなければ2〜3ヶ月後だ。なので病院の経営はまさに自転車操業なのである。

 

医療費って結構高額だが、日本では国民皆保険という制度によって高い医療費と病院経営をカバーしている。

保険証を発行している保険者は、所得に応じた保険料を給料から毎月強制的に徴収することによって運営している。

 

保険証(保険者)の種類。

  1. 協会けんぽ
  2. 組合けんぽ
  3. 共済組合(公務員)
  4. 国民保険(自営業の人等が自治体に保険料を支払って加入)

代表的な保険者はこの4つで、1の協会けんぽは各都道府県に支部がある「全国健康保険協会」であり、日本で1番加入者数が多い保険者であり従業員のいる中小企業が加入する。薄いブルーの保険証で券面下部の01から始まる番号が協会けんぽの特徴だ。ちなみにその後の2ケタの数字は都道府県番号である。0113◯◯◯◯とあれば協会けんぽ東京支部ということになる。

 

2の組合けんぽとは、いわゆる何万人もかかえる大企業が独自に健康保険組合をつくり運営している保険者である。06から始まるのが特徴で券面も企業によって様々である。コカコーラの保険証にはあのコカコーラのボトルとロゴが赤でお洒落にプリントされているし、ヤマト運輸ではクロネコがプリントされている。ちなみに私はGoogleAmazonなど米国大企業の保険証は未だかつて見た事がない。アメリカでは社会保険は強制加入ではないので、保険証という文化や概念がないのかも知れないな。全額払って領収書で会社に請求的な?わからんけど。

 

3の共済組合は、公務員が加入する保険で31、34から始まる保険者番号が特徴だ。地方公務員、国家公務員、公立病院の医師や看護師、教員等が加入する保険である。保険証に厚生労働省とか国土交通省とか書かれていたら、おっ国家公務員だスゲーとかなったりもする。

 

4の国保は自営業、個人事業主、留学生、DQNニートが加入する保険だ。各保険者の保険料等はほぼ一緒なのだが、労災や傷病手当等の特典はない。冒頭で基本的にと言ったのは任意で加入しない人もいるからだ。

保険料滞納していていて保険証の有効期限が切れてるヤバい世帯は、病院にかかる時だけ市役所に赴き分割払いの誓約書を書いてから保険証を発行してもらって病院にかかったり、保険という文化がない国から出稼ぎにきている外国人は、毎月高い保険料を払うシステムが理解できないらしく、何に数回かかるかかからないかの病院に、その都度10割払っていたほうが年間医療費が安上がりだと思ってるらしい。

まぁ、モラルと文化が顕著に現れるのが日本の国民皆保険制度だな。窓口負担がないからと、しょうもない事で頻繁に病院にかかったりするのはほんと辞めてほしい。窓口負担はなくても診療費は必ず発生してるんだからな。

ちなみに後期高齢者の保険証も扱いは国保とされている。

 

たまには医療ネタをブチ込んでおかないとこのブログにたどり着いた人たちは「なんの人?」とか思ったりするだろうからさ。

 

そして医療従事者へのコロナ慰労金が決定しました。

今回の慰労金は医師や看護師だけではなく、患者と接する医療従事者全員という太っ腹な制度であり、外注委託業者でも要件を満たしていれば支給対象のようだ。

その額5万10万20万。ウチの病院はおそらく最低で10万対象、ひょっとすると20万かも知れない。

支給は8月ごろより。

私の友人である医師のO、バカ課長、若手の見た目だけはいいコミュ障A。そいつらがまとまった金をもらえるのだ。

 

私たちみたいなクズ医療従事者でももらっていい金なんだろうか?

(゚Д゚≡゚︎Д゚)?