俺一発で着床させるよ?
なんだなんだ突然何を言い出すのだ。
事の発端は数週間前に夫のAが友人でもあり私の主治医でもあるOと別室で何やらゴソゴソしていた。そして数日前に主治医といつもの予約の診察をしたのだが、やれ更年期障害だの生理の周期だの不正出血の有無等いつもの雑な診察ではなくガチの診察をされた。そして某産婦人科への紹介状を手渡された。
「手紙に全部書いてあるからお前はとりあえずコレもってココへ行け」
不安と不信感がつのる。私の知らないところで何らかの話が進んでいるようだ。
紹介状の中身を見たい衝動にかられる。紹介状をテーブルに置いて悶々としている時に、
俺一発で着床させるよ?
説明しろ。納得しない限り絶対行かんからな。
「O先生に子ども欲しいって言っただけ」
そんな事勝手にOに相談するな!そんなもんまず私とだろ!一発で着床?お前バカですか?ババアの体ナメてんじゃねぇぞコラ。
いいじゃん別に。
よかねぇわ!
自慢じゃないが私ははここ数十年性行為というものをしたことがない。不安でしょうがない上にこのクソガキとの行為なんて想像したくもなかった。
俺は大丈夫(๑•̀ㅂ•́)و✧
俺は大丈夫てあんた......。
家に集まるバカ男三人衆の下ネタ話が思い出される。
「やっぱAがダントツで異常にデカいわ」
怖い怖い怖い怖い。
大丈夫だよ?としつこく食い下がるAに、
大丈夫じゃねぇわ!お前のレバブルが異常なデカさとの噂は知っている!お前のレバブルはどっちなんだ?平和か!三共か!どっちなのだ!答えろ!
あ、えーとどっちだろ?例えがよくわからん......。平和かも?
じゃあこの話は一旦持ち帰る!
そして現在に至る。
飽きるほど握りしめたいびつな平和のレバーか、苦手なからくりサーカスを始めとする滑らかな三共のレバーか、私に取ってはこの上なく重要な要素なのだ。
決断の早いわたしも今回は中々決断出来ないでいた所、姉がしれっと
そんなもんどうにでもなるわ。
どうにでもなるらしい。
いざ尋常に、押し込め!
押し込まれても困る。
乙女のようにいかない高齢出産の壁が立ちはだかる。