彼岸花。
犬の散歩中にちらほら見かけるようになってきた。見た目は大層キレイで日本的なビジュアルなのだが、日本固有の植物ではない。有毒植物なのだが、私のあやふやな記憶によると使いようによっては毒にも薬にもなる植物らしい。
それって私みたいじゃん?
クズたちには不評だった。
それはさておき、昨今テレビのCMなどで、
「過払金なら◯◯まで!完済している方は相談料・着手金無料です!」
相談者Aさん「まさか、160万円も戻ってくるなんて思わなかったですよ。◯◯さんに相談して良かったです」
なんて相談者の嬉しい声まで紹介している。
ちょっと私には理解できないのだが、中々不名誉なステータスを顔晒して公共の電波にのせちゃう勇気。
ギャラってあるのかな。まあそりゃあるだろうね。だってけっこう恥ずかしい過去を晒すわけなんだもの。
ふーん。やっぱりお金大好きなんだね。
あるいは、
「集団予防接種でB型肝炎に感染された方は最大◯◯千万受け取れる可能性があります。ご相談は◯◯まで」
あのさ…。
私の周りには、運よくそれらで感染した事例はないけれど、私たちの時代なんて「集団予防接種」なんて当たり前の話だったのだ。
そりゃ、それらが原因で大変な目に遭った方もいるだろう。そういう方たちには国が決めてたガイドラインなんだから、手厚い保護なり賠償金なりを払えばいいと思う。
でも。でもだよ?
そんな今では考えられない危険な行為をデフォルトにしといてさあ、たまたま運良く感染していない者には、
なんもないんかい!
私らも被害者だろ!
はい出ましたね。行政のやり方ってこんなんですよ。そんなトコに就職して、私のようなタチの悪い一般市民の相手をしたいですか?
公務員を目指している方々。悪いことは言わない。人生は一度きり。そんなクソな安定より、ベンチャーや各業界でトップを目指しなさい。
公務員はつぶしがきかねえぞ。就活にも苦労するぞ。どこへ行っても嫌われるだけだ。そこそこの国家公務員クラスでないと、天下りなんて出来ませんよ。
まあ、あなたたちの人生なんだから私は止めませんし、実際公務員になって良かったなんて頭のおかしい人もいますからね。
さて本題です。
今日は我が家にマトモな来客があった。
私「今日は来客あるからお前ら帰れよ」
主「えー。大人しくしてるからまだいいじゃん」
クソッ。
その来客とは弁護士である。
私は過去のエントリーでも書いているが、足の一部が無い障がいを持っている。その原因となった訴訟をお願いしている先生だ。付き合いはそこそこ古い。
昔、私のパートナー絡みでいろいろあった時、加害者であるDQNに生きてることを後悔させてくれた先生でもある。まあ私にもパートナーにも全く非はなかった上に、私は後遺症までいただいたので、けっこうな賠償金を勝ち取ってくれた。主治医よりちょっと年下の中々デキる弁護士である。
その先生が現在の進捗状況の報告と様子見を兼ねて我が家にやってくるのだ。主治医とは初めてではない。だが、それはあくまで医師として会っただけに過ぎない。医師としてのコメントだったり、意見書やら診断書を作成しただけの仕事上の接点だけなのである。つまり仕事上のシュッとしたトコでの接点だけである。
私はこんなクズをどうしても晒したくはなかった。
だって恥ずかしいもん。
さて予定よりちょっと遅れて先生がいらっしゃった。クズどもはブツクサ言いながら二階へ上がった。
私「ご無沙汰しております。」
弁「お元気そうですね。その後いかがですか?」
私「立ち話もなんですから、どうぞお上がりください」
弁「失礼します」
お茶を用意しようとキッチンに行く。
ビールの空き缶がそこら中に散乱している。
心なしかアルコール臭い。やれやれ。
先生はホントにいつ見てもシュッとしている。今日は一応休みなので、カジュアルな感じの服だが、べらぼうに意識の高いカジュアルでもなく、中々好感が持てる爽やかな秋物だ。きっとセンスのいい嫁なんだろう。
主治医の嫁のように亭主を私に丸投げして放置しているバカ嫁とは大違いだ。
「旦那がアンタとこに居たらラクでいいわあ」
そんなことをのうのうと言う女なのだ。
さて先生は今現在の訴訟についての話と、相手方の弁護士とのやりとりを話してくれた。
みんな大好きお金の話w
私の名誉にかけて言っておくと、賠償金目当ての訴訟ではない。人が人を傷つけた責任の一部だと思っている。
私は常日頃から「お金で解決するほどラクなことはない」と思っている。
人を傷つけたり、殺したり、取り返しのつかないことをしても金で解決できるなんてことはあってはならないのだが、実際その方法が取られてしまっているのが現状だ。
間違っても「お金を払えば人殺ししてもいい」と言ってる訳じゃないよ。お金でお茶は濁せるだけであって、罪は一生消えない。
遺族や関係者は実際お金をもらってもどうにもならないしね。
お金を請求するという行為は、とりあえず加害者にお茶を濁せるラクな方法を提示してあげているだけに過ぎないと思うのだ。
だってさ、もし私が過失であっても人を傷つけて、それが◯◯千万とかで許してもらえるなら安いものだと思ってしまう。◯◯千万払っても、生涯許してもらえないし、罪からは逃れられないから人を傷つけないように生きて行かなきゃいけないと思っている。
罪の大小は問わずだよ。
本当にすべてお金で解決させてくれるなら、私はすでに人間ではなくなってるよ。
それはさておき、先生との話の中で某法律相談所CMの話になった。
弁「まああの事例は大した労力を必要としない金のなる木ですからw」
私「そーなんですか?」
弁「消費者金融と長い付き合いのある方で完済しているなら、ほぼ確実に過払金が発生しています。大した事案でもなく、ほぼ書類と電話と簡易裁判所で完結しますからね。それで約20%の成功報酬なのでボロ儲けですよねw 集団予防接種の件にしても同じようなことが言えます。私らの業界も商売なんで、別に否定はしませんけど、つけ込んだ感じがして私は好きになれません」
なるほど。よく分かった。あのCMを見て気分が悪くなるのはそういうカラクリの匂いがしていたからか。
ふと見上げるとクズたちは二階から中二階のリビングをニヤニヤしながら見下ろしている。
弁「あ、O先生、ご無沙汰しています。そんなトコで何してるんですか?」
主「ご無沙汰です。いろいろありまして二階へ追いやられていますw」
クソッ。見つかった。
主治医は下りてきて先生と話している。一応私の体調やこないだの検査結果なんかを話している。まあとりあえず医者らしいことをやっている。
その後先生はいろいろと面白い話をしてくれ、2時間ほど我が家に滞在してから、
弁「お邪魔しました。お元気そうで何よりでした。何かありましたらご連絡ください」
私「分かりました。本日は興味深い話をありがとうございました」
弁「では失礼します」
クズたちはもうリビングで飲んでいる。
主「るいちゃーん。なんかさあ、俺たちとずいぶん扱い違くねー。俺も同じ先生なんですけどー」
課「俺らあんなおもてなしされたことないんですけどー」
私もクズだけれどさあ、
お前らのように、「人生一度きり。恥なんてかき捨てだろ?」みたいな生き方は絶対にしない。
まあヤツらを見てたら、その生き方も否定は出来ないと思う私は若干ヤツらに汚染されている。
人の為に頑張ったり生きている訳じゃない私たちは、
たぶん「偽」ではないはずだ。