師匠シリーズという小説がある。
元はケータイ小説だったのが、知らない間にじわじわと人気が出たみたいで、今では書籍化や漫画化もされているようだ。映画化?ドラマ化?の話も出てたように記憶している。
ホラー・オカルト系の小説で、フィクションかノンフィクションか判別しづらいなかなか独特な視点の語りかたと、作り込まれた(という表現が適切かどうか分からないが)背景、繋がりなど、ホラー要素以外の部分でも十分楽しめる作品となっている。
私は寝る前の軽い読み物程度の感覚で、けっこう昔から何度も読み直している。正直、面白くない短編エピソード(初期作品)もあるのだが、長編エピソードはかなり引き込まれる仕上がりだと思う。
その長編エピソードたちは、別のエピソードと微妙に繋がっており、時系列順に公開されてもいないので、読み手がバカだと、たぶん意味が分からない小説で終わる可能性が高い読み物だ。
エピソードの語り部も、作者(ウニ)だったり、作者のようで昔の師匠であったりと、受け継がれていく物語のような繋がりが、エピソードごとにある。
意図的なのか、時系列をはっきりさせず、決定的な解明もなく、読み手にもやもやと想像の余地を残すような物語の進め方は、何度も読み返したくなる中毒性を秘めている。
実は私は漫画や書籍化されたものをまだ読んでいない。読めば新しい発見もあるかもしれないのだが、商品化されたものというのは、やはり商業ベースにのっとり、分かりやすいリメイクを施されているような気がして、初代のもつ曖昧な文章のイメージと、釈然としない居心地の悪さを壊されたくなくて、なかなか手に取れないのだ。
怪物
風の行方
雲
何が始まりで何が終わりなのか、この辺りのエピソードを繰り返し読んでも釈然としない。
その他の繋がりのありそうなエピソードを読むともっと混乱する。
角南?誰だよ。
くじら座?なんだよ、それ。
間崎京子?お前何者なんだよ。
黒い手やマネキンパーツはどう絡んでくるんだよ。
疑問は尽きない。
私の想像力が足りないのか。
作者は今どうしてるのか。加筆やエピソードの続きを執筆しているのか。
私が読んでいるサイトのものは、ほんとうにのんびりと、新しいエピソードが追加されていっているのだが、それが最新のものかどうかは分からない。
新しいエピソードが追加されると、すべてが解明されるかも知れない恐怖が私を襲う。
まさしくホラー作品だな。
【絵】というエピソードはどこにつながるんだ?今日読み返したら何か分かるかも知れない。
今日はそれを考えながら寝ることにする。