外国人相手の民泊をやってみたい。
我が家は、1階に2部屋とシャワールームとトイレ、中2階にリビング・キッチン・廃家電の墓場(捨てれば部屋として十分使える)・風呂洗面所・トイレ、2階に2部屋ある。
友人であるクズたちが泊まりにきたら、なんかテキトーに空いてる部屋を使う。1階と2階には各部屋にベッドがある。クズたちが「ちゃんとベッドで寝たい」というので、夏くらいにAmazonで安い1万円くらいのシングルベッドを追加購入したのだ。
じゃあ帰って寝ろよ。
金も払わない・掃除もしないコイツらに部屋とベッドとメシを提供するくらいなら、たとえ数千円でも金を取って外国人旅行者に提供したほうがいいような気がしてきたのだ。
民泊は想像以上にハードルが高いです。
友人でもある主治医からも、
「えー。俺らどこで寝るねん。あかんあかん。却下却下。」
と言われましたが、私はもう民泊をやる気マンマンでイロイロ調べました。
やっぱり一般人が民泊をやるのはなにかとハードルが高いです。そりゃ違法な民泊が多いわけだわ。おそらくクズたちも抵抗勢力となり、私の民泊への情熱を阻害してくるでしょう。それもハードルとなり得るので、しばらくは諦めたフリをしておきます。
さて本題です。
私は過去に犬を連れて田舎の古民家に宿泊したことがある。ペット可・安い・田舎・海の幸で検索していたところ、山陰地方のとあるクソ田舎の古民家がヒットした。
もちろん即ポチで予約をした。
古民家ではない、ムダに広いタダのボロ家だった。
見た目は由緒ありそうな歴史を感じさせる重々しい感じで、室内も「サザエさんちの縁側からの和室」みたいな開放感ある広々としたものだ。リノベーションすれば、立地はともかく、ホテルとして絶対生き返りそうな家屋だと思うのだが、なぜ民泊?(合法かどうかは知らない)
イメージ的には「犬神家の一族」に出てきそうな家屋である。
漁村ではあるのだが、けっこう海から離れた山手にあったため、メシどきにいちいち海側まで行くという行為がめんどくさそうだった。
なので、私たち(パートナー)は、朝メシ用のパンやら飲料やらを買い出しに、車で小1時間ほどかかるAEONまで行くハメになった。
もはや旅行ではない。
夜は夜で、おいしい海の幸を食いに漁村のメシ屋まで出かけたのだが、車しか移動手段がないため、私は美味い海の幸とウーロン茶をガブガブ飲んでいた。
美味い海の幸と美味い酒。これが旅行の最大の楽しみなのに。
ロクに下調べをしなかった自分を呪ったよ。
えーと、風呂は薪でした。もちろんシャワーなんてありません。
なので晩メシを食いに海側へ下りたときに銭湯で済ませる予定でした。一軒だけあった銭湯は20時まで。1日目は風呂入れず。なんでやねん。
全然旅行ちゃうやんけ。
扇風機しかないムシ暑い夜を蚊帳の中で過ごした。こんな劣悪な環境で過ごすのは、小学校時代の林間学校以来だ。犬たちも一晩中舌を出してハアハアしていた。私は酒を浴びるように飲んで寝ようとしたが、その古民家にはなぜかワンルームに備え付けの小さい冷蔵庫みたいなやつしかなく、大量に買い込んだ飲み物が数本しか入らなかった。クソ暑い夜に、ぬるいビールを飲むというストレスは私をさらに不眠へと追い込んだ。
水でも浴びたら?
そう思うだろう。
蚊帳はなにも蚊だけの侵入を防ぐものではない。蛾や都会では見たことのない虫などの侵入を防ぐものでもあるのだ。
夜にこの屋敷で蚊帳の外に出るという行為は、はっきり言って怖い。私はトイレに行くのでさえ犬を連れて行ったくらいなのだ。犬もさぞ迷惑だっただろう。
また蚊帳のある部屋の床の間あたりがすげえ怖い雰囲気を醸し出してるんだよ。
何が古民家だ。
お化け屋敷じゃねえか。
夜はどこかで必ずゴソゴソやらカサカサやらグエッやらドボンやら歩く音やらが聞こえていて、怖い効果音には事欠かなかった。
結局翌朝は犬たちの散歩が終わったら、車で小1時間ほどかけて、ブランチがてら町のスーパー銭湯に行った。
全然旅行じゃありません。
地獄のような休暇が終わり我が家に帰ると、快適な環境下で犬含む全員が死んだように眠った。
あの地獄のような環境(怖い効果音含む)は、演出だったんだろうか。どんな形にせよ強烈に記憶に残っている。新手の商法なのか?
私が民泊をすることになったら、とびきりの演出も用意してやろう。
諸外国では有名な民泊宿として名を轟かせ、笑いが止まらないほど荒稼ぎしてやろうと思う。